韓国起源説(かんこくきげんせつ)とは、韓国の個人・団体などが、
他国の文化などの起源・伝播を朝鮮半島に求める、根拠不十分で非合理な言説群の俗称。
韓国起源論ともいう。研究者や文化人が個人的に主張する説から、
公的団体が正式に主張する説まで多岐にわたり、一時的にマスメディアで流布される場合から、
継続的に国際的な広報活動が行われる場合まで様々である。
特に、日本文化や中国文化が対象とされる場合が多い。

韓国起源説の主な対象は日本文化と中国文化をはじめ、
メソポタミア文明・インカ文明・西洋文明・生態系まで多岐にわたり、
有形・無形の文化だけではなく高名な歴史上の人物等のあらゆる分野が対象となっている。
これらの主張の根拠は似非科学から語呂合わせや民間語源、一切根拠の無いものまで多岐にわたり、
韓国内や海外で広く流布されている説から韓国内ですらほとんど受容されていない説まで様々である。
ただし韓民族優越主義的な視点で主張される点では広く共通しており、
特に日本文化に対する起源説の主張では、小中華思想と公教育に基づいた強い対日蔑視の視点で
主張される事が多く、様々な日本文化が剽窃され韓国文化として外国に宣伝されている。
このような起源主張は韓国以外にも存在するが、韓国起源説の特異な点は、
他国の起源説とは比較にならないほど対象分野が広く、頻度も高い上、
宣伝活動が国内のみならず世界を意識したものであるが故に組織的・大規模で、
自民族優越主義的であり、文化の発現、革新、発展、継承を無視しており、
著しく事実誤認、歴史歪曲、捏造が多い
とされている。

例えば、朝鮮日報・東亜日報・中央日報のような大手マスコミや、
学者や有名作家が韓国起源説を堂々と主張・報道したり、
韓国起源説に基づいて映画が作られたりする。
世界に向けては、2002年アジア競技大会組織委員会や大韓剣道協会のような
公式国際団体が韓国起源説を主張したり、Japan Expoや韓国政府が後援する
Korean Connectionのような国際的なイベントで韓国起源説に基づいた対外文化広報が行われたり、
移民した在外韓国人が現地で積極的に韓国起源説を広めたりする。
これらを鵜呑みにしたネット記事・投稿が氾濫し既成事実化が進み、ついには韓国の教科書に記載されるようになる。

さらに、事実無根の起源説が別の起源説の根拠になるなど、仮説や希望的観測に基づいた虚構が
「歴史的事実」として流布されている。

韓国起源説がいつごろ始まったかは定かではないが、
世界で有名になるとその文化に対する韓国起源説が主張され始める場合が多い。
例えば韓国では侍や日本刀や桜は「野蛮な日帝の象徴」として長らく忌み嫌われていたが、
侍や毎年春にタイダルベイスンで開かれるNational Cherry Blossom Festivalのソメイヨシノが
アメリカで人気を博していると認識すると大規模に韓国起源説を主張し始めた。

日本や中国や台湾で韓国起源説が広く認知されるようになったのはインターネットが普及し始めてからであり、
日本では『マンガ 嫌韓流』などの出版物の影響も大きい。
中国のネットアンケートで韓国が「嫌いな国」第1位に選ばれたが 、その一因が韓国起源説にあるとされており、
中国国内で膨張する嫌韓感情に対処するために、李明博大統領が辛正承在中韓国大使に指示して、
一部誤報が含まれた韓国起源説に対する釈明を中国メディア上で大使にさせるほどの影響力を持つようになっている。
日本のメディアでも、
「マジンガーZの海賊版が韓国作品として韓国で放送されていた!? またお得意の韓国起源説ですか(苦笑)」
などの記事が書かれるほど、広く知られるようになった。

日本のインターネットでは、このような起源主張を朝鮮語で「我々の」を意味する「ウリ」をかけて「ウリジナル」と呼ぶことがある。
この「ウリジナル」という言葉は、雑誌などが取り上げたり、大学教授が用いたりするほど広まっている。
似たような言葉に「コリエイト」(korea+create)がある。

また人物に対する韓国起源説の一種として、韓民族優越主義の観点から日本の各界で活躍している人物を事実や根拠にもとづかず
在日韓国・朝鮮人であると主張する在日認定がある。

情報の伝播構造としては陰謀論やチェーンメール、ある種のデマと類似しており、
ある種の権威主義を触媒として拡散される誤った情報の伝播速度に対して、
正確な情報の説明や伝達に非対称で多大な情報や証拠の提示が必要となる構造があり
(「起源説」の提示は高々断定調の数フレーズであるのに対して、その反証のための証明が膨大になる)、
結果として流言の広がりが爆発的になるのに対して訂正情報の拡散速度は鈍いものとなる。